安倍9条改憲/関連資料


      

   2019年5月3日 ヒロシマ総がかり行動実行委員会主催「2019年ヒロシマ憲法集会」

 

                  金平茂紀さんの講演要旨 

 

        「抗うニュースキャスターが語る 崖っぷちの民主主義」

 

   天皇代替わり、平成から令和への改元を安倍政権は利用し、祝賀一色の報道がそれを支えた。天皇は個人としてどう思っていようとも、非道な政治の補完機能の役割を負わされている。弱者へ寄り添うのは本来、政治の役目だ。安倍首相は改元発表直後に自ら記者会見して「令和」の意味を説明して、まるで自分が決めたかのようにアピールした。天皇制を考えるチャンスだったのに批判を許さない空気が醸成された。

 

 元号とは、中国の皇帝が空間と時間を支配していることの表象だった。権力者は時間をも支配したい欲望を持つ。その力を持つのが元号であり、そういうことすら考えないでバカ騒ぎしていていいのか。メディアがセンセーショナルに伝えていいのか。思考停止に陥らないことを、肝に銘じよう。

 

 強権政治によって三権分立が壊死しようとしている。まず司法の壊死。裁判所は追認機関になってしまい、司法捜査機関は政権の御用機関に堕してしまった。立法府は形骸化してきた。議席によって質問時間が決められるようになったが、与党議員の質問は内容が全くなく時間つぶしにすぎない。

 

 メディアの衰退、御用化は、自主的に隷従して監視機能を放棄している。政権側が押さえつけているのではない。何がテレビ報道をダメにしたか。御用記者がのさばり、どうでもいい事件報道を延々とセンセーショナルに報道することだ。一方、沖縄で起きていることは見捨てる。御用記者のことは欧米ではプードルという。日本ではポチか。真実を改ざんし恣意的な解釈をする。カネ、地位、昇進に目がくらみ、権力に近くなることによって自分も小権力を得る。こうしてメディアが衰退していく。

 

 抗いの歴史もある。古くは田英夫のベトナム報道、彼はこれによってキャスターを解任された。富山チューリップテレビの富山市議会の政務調査費報道。「NHKスペシャル」も、2017年は731部隊、インパール作戦、沖縄と核など秀作を放映した。東海テレビのドキュメント「さよならテレビ」。これら頑張っている報道人と市民が横のネットワークをつくろう。まともな報道をする人はいる。支えるのはみなさんだ。                     

                                           (2019年5月9日・文責:編集係)