憲法第9条を壊す「戦争法案」の廃案を求めるアピール


 今年は、日本が引き起こしたアジア・太平洋戦争の敗戦から70年、広島と長崎に米国が原爆を投下して70年、の節目の年です。
  この侵略戦争によって、アジア諸国で2000万人、日本国内でも310万人の尊い命が犠牲となりました。その反省から生まれた日本国憲法は、前文で「政府の行為によって再び戦争の惨禍が起こることのないようにすることを決意し」、第9条で「国権の発動たる戦争と武力の行使は永久に放棄」し、「陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない」としています。その後、自衛隊が発足しましたが、「集団的自衛権行使は憲法第9条のもとでは認められない」というのが、これまでの政府の一貫した姿勢でした。
  ところが、安倍政権は昨年7月、憲法第9条を改定することなく解釈を変え、「集団的自衛権を行使できる」という閣議決定を行い、今年の5月にはアメリカ軍などの「後方支援」のために自衛隊が出動できる「国際平和支援法案」と、自衛隊法や周辺事態法など10法案を一括して改正する「平和安全法制整備法案」を国会に提出しました。
  これらの法案は、名前に「平和」を入れていますが、これまで憲法第9条に違反するとしてできなかった自衛隊の海外派兵がいつでもどこでも切れ目なくできることになっています。後方支援とは兵站作戦そのものであり、相手国への敵対行動です。派兵された自衛隊が戦闘で「殺し、殺される」のはもちろん、日本の国そのものが攻撃対象となる危険性が高まります。集団的自衛権を行使するかどうかの判断基準は極めて曖昧であり、その時々の政府の判断に任されることになれば、政府の恣意的な自衛隊の出動、派兵が行われることになりかねません。だからこそこれらの法案は「戦争法案」なのです。
  いま安倍政権がやろうとしていることは、憲法が定めた手続きを無視して第9条を破壊する「改憲クーデター」です。それは、憲法は為政者を縛るものであるという立憲主義を真っ向から否定した行為です。
  秘密保護法のもとでは、自衛隊の派兵などにかかわることは軍事や外交、テロ防止にとって重要な「特定秘密」とされ、主権者である国民が知らない間に他国との武力衝突や戦争の扉が開かれることになりかねません。
  私たち被爆地広島に住む者は、世界中の争いが一つでもなくなることを願っています。法律制定によって憲法を壊す「戦争法案」成立に断固反対します。国民をないがしろにし、命を危険にさらす国づくりは絶対に許しません。「戦争法案」は必ず廃案にしましょう。

                     2015年6月5日
                                                              「ストップ!戦争法 7・12ヒロシマ集会」実行委員会結成のつどい  
   

                 呼びかけ人(50音順)

    

   アーサー・ビナード(詩人)  秋葉 忠利 (前広島市長)  安東 善博(元ジャーナリスト) 今中 亘(元ジャーナリスト)

   大国  和江 (弁護士、元日弁連副会長)   緒方 桂子 (広島大学法科大学院教授)   木村  豊 (広島弁護士会会長)

   多幾山斯梵(浄土真宗本願寺派圓福寺前住職)  長谷  憲 (広島県保険医協会理事長)   二階堂和美(歌手、僧侶) 
   林  辰也 (広島YMCA名誉主事、生協ひろしま顧問) 平岡  敬  (元広島市長)   舟橋 喜恵(広島大名誉教授)
   宗藤 尚三(日本基督教団牧師、日本宗教者平和協議会常任理事)森滝 春子(核兵器廃絶をめざすヒロシマの会共同代表)
   湯浅 正恵 (広島市立大学教授)


 


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憲法第9条を壊す「戦争法案」の廃棄を求めるアピール
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   FAX:082-231-3005

   郵送:〒730‐0805 広島市中区十日市町1-5-5 坪池ビル2F JCJ広島支部内  

                                      ストップ!戦争法 7・12ヒロシマ集会  実行委員会


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